321系 宝塚線

●諸元
形式 クモハ321・クモハ320・
       モハ321・モハ320・サハ321
編成 7両編成
営業最高速度 120km/h
設計最高速度 130km/h
起動加速度 2.5km/h/s
減速度 3.5km/h/s(常用最大)
          4.2km/h/s(非常)
編成定員 1065名
最大寸法 長さ 19550mm
             幅 2950mm
             高さ 3630mm
車体材質 軽量ステンレス
主電動機 かご型三相誘導電動機WMT106(270kW)
駆動装置 WN平行カルダン
制御装置 IGBT素子VVVFインバータ制御
台車 ボルスタレス台車
制動装置 電気指令式ブレーキ
保安装置 ATS-Sw・ATS-P
●配置区所
網干総合車両所明石品質管理センター
●運用範囲 
東海道本線(草津ー神戸)
山陽本線(神戸ー西明石)
福知山線(尼崎ー篠山口)
東西線(京橋ー尼崎)
片町線(木津ー京橋)
おおさか東線(放出ー久宝寺)
関西本線(木津ー久宝寺)
大阪空港線(伊丹ー大阪空港)
びわこ京阪奈線(貴生川ー京田辺)

2005年、福知山線の201系・205系の置き換えの為に開発された。
2005年当時、東海道・山陽・福知山線の普通は201系・205系・207系で運行していたが、最高速度が207系は120km/hであったのに対して201系・205系は100km/hであったことからダイヤに制約があった。そこで、201系と205系を福知山線直通運用から撤退させ、余剰になった201系と205系は他線に転属し、103系を置き換えることにした。そこで新車であるが、207系は既に設計から10年以上経っていた為、新形式を設計することにした。しかし、低コストで抑えたかった為、当時大阪環状線用として計画していたD207系を東海道・山陽・福知山線に投入することとした。
一方、翌年には大阪空港線及びびわこ京阪奈線開業が迫っており、車両の確保課題となっていた。当初は専用の車両投入する予定であったが、福知山線の車両と共通運用とする為、D207系を予定より多く投入し、207系を追い出すことで大阪空港線・びわこ京阪奈線に備えることとした。
こうして、D207系改め321系を東海道・山陽・福知山線に7両編成36本投入することにした。
ちなみに形式の「321系」であるが、これまでの付番ルールだと十の位の2は近郊型を意味するものであり、通勤型は0である。しかし、國鐵時代の付番ルールのままだと、いずれ番号が全て埋まってしまう為、JP西日本では2005年から付番ルールを変更した。その為、十の位は通勤型・近郊型・一般型を意味するものとなり、JP西日本の車両で多く使われている2を付番した。
車体は20m・4扉とし、207系をベースとしが、車体構造が223系5000番台などと同じ戸袋部を2シート工法・窓部を骨組み工法としたことでビードを廃止した。前面デザインは207系をベースとしながらも、フォグランプの追加などが行われ、前面全体が紺色系とされた。又、排障器と一体感のあるデザインとなっている。側面は207系ベースとなり、扉位置も207系と同じ扉間隔4700mmとされた。側窓は、近郊型電車と共通化を図る為、扉間のうち2箇所を一段下降窓とし、それ以外は固定窓とされた。妻面は妻窓が廃止され、貫通扉は中央になっている。車内はオールロングシートとなったが、扉間はシートピッチを拡大し6人掛けとなっている。座席は簡易的なバケットシートとし、コストカットしている。化粧板等は一新され、パープル系の内装となっている。蛍光灯カバーはこれまでの樹脂製からガラス製に変更している。又、天井にはLCDが設置され、枕木方向に1両あたり3基設置された。床下機器は一新され、片方の台車のみモーターを装備する0.5M方式が採用され、構体を共通化することでコストカットしている。
2005年7月に第1編成が落成し、12月から営業運用を開始した。当初は東海道・山陽・福知山線で運用され、2006年12月までに7両編成39本が製造された。予定されてた36本より3本多く作られたが、これは2006年3月に導入されたゆとりダイヤによるものである。又、塗装も当初は207系と同じ濃淡ブルーの帯であったが、現車は戸袋部に紺、窓下に橙・白・紺の帯とされた。これは所属区と車両運用によって塗装を変えることとした為である。東海道・山陽本線を直通する列車はこれまでの青系、他線に乗り入れる列車は違う色とし、明確にすることで誤乗防止を狙ったもの。その為、福知山線で主に使用する321系は新たなカラーとした為、計画と違った色を採用した。尚、計画塗装に関しては2006年下半期に川崎重工で製造された7両編成3本で採用され、こちらは主に湖西線や琵琶湖線で使用されている。D1編成からD9編成は1両につきパンタグラフは1基としたが、D10編成以降は東西線に対応出来るように1両につきパンタグラフを2基装備した。
7両編成39本が全車明石区に配置され、東海道本線・山陽本線・福知山線で運用された。中心となる運用は福知山線直通運用であり、朝晩に車庫からの出庫を兼ねて東海道本線・山陽本線のラッシュ運用に充当し、日中は高槻ー新三田の福知山線直通運用に就くというものである。福知山線では快速運用も設定されていたが、321系の簡易的な座席は苦情が殺到し、程なく113系に置き換えられた為、この当時321系での快速運用は無かった。
2007年3月に大阪空港線・びわこ京阪奈線が開業したが、原則207系が使用されることになった為、321系の運用は無かった。
2008年3月には東西線・片町線での使用も開始した。これにより同じ321系D編成の中でも1パンタ編成と2パンタ編成で運用が分かれ、東西線に直通する系統に使用する列車は2パンタ編成に限定された。
2010年には片町線が全線7両対応となった為、木津まで乗り入れるようになった。これにより、207系と共通運用を組めるようになった為、321系のうち2パンタ編成を207系と共通運用とした。
2010年から新塗装の車両に対して座席モケットを青系から緑系に交換し、2011年からはつり革を225系と同じオレンジ色の大型のものに交換した。これらの改造は2012年までに完了した。
2012年からはおおさか東線経由の直通快速にも入るようになった。これまでLCDの広告の関係上、207系のみが運用に入っていたが、おおさか東線と関西本線でもLCD車が運行できるようになった為321系も入るようになった。これにより、2パンタ車は207系と共通運用を組むことになった。
2018年現在、明石区に7両編成39本が在籍しており、東海道・山陽本線京都ー西明石、福知山線尼崎ー篠山口、東西線、片町線、おおさか東線、関西本線木津ー難波、尼崎港線、大阪空港線で運用している。